個人輸入の手引き

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import 個人輸入の手引き 〜 Introduction


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個人輸入の最大の難関は関税でも為替のレートでもなく「言語」である。世の中がまだISDNだった頃、個人輸入の際には「こりゃ英和」などの翻訳ソフトを使用していたが、今ではGoogle先生が何でも教えてくれるため、翻訳ソフトを購入する必要もない。
エキサイトではテキスト翻訳のほか、ウェブページ翻訳も可能だが、Googleの軽量ブラウザ ChromeにはGoogle翻訳を拡張機能として追加することができるため、表示しているページをワンクリックで翻訳できる個人輸入の強い味方。

Google Chromeのインストールと使い方はこちらから


square 個人輸入の基礎知識

個人輸入に抵抗がある人にその理由を聞くと、「注文した商品が届かなかったら」「注文した商品が破損していたら」などの回答が多い。
当然と言えば当然の回答で、同様に国内外を問わずクレジットカードの使用にも躊躇する傾向があり、言わばネット通販そのもののリスクを懸念している節がある。
一般的に国内・国外を問わず、ネット通販には「クレジットカードの不正利用」「決済後に商品が届かない」「粗悪品が送られてくる」というリスクがあり、個人輸入はこれらに言語の壁が加わることで一気にハードルが高くなる。

個人輸入のリスクとメリット

国内ならば注文した商品が届かないということはほとんどなく、万が一、注文した商品が届かない場合でも「日本語」で問い合わせができる。
ところが海外の場合、英会話が出来なければ電話をかけるわけにもいかず、何よりもちゃんと対応してくれるのかという不安も拭えない。
更に個人輸入特有の問題に限ると「言語の壁」のほかは、「関税が掛かる」「送料が高い」「輸入できない商品がある」「為替で価格が変動する」「購入後のサポートが受けにくい」などがある。

国内のネット通販に抵抗がない人でも個人輸入となると話は全く別で、先ず「難しそう」なので手を出さない。
無論、海外サイトには楽天もYahooもない。
楽天やYahooで購入するメリットはポイントよりも安心感だと思われるが、出店している店舗には明らかに景表法に違反している価格表記が多く、店舗の質 そのものには大きな疑問が残る。過去にも購入したのに商品が送られて来ない、店舗と連絡がつかないといった事例が発生している。

結局、ネット通販の安全性は購入する店舗の質で決まるわけだが、個人輸入は言語の壁があるため、国内サイト以上に「質」が見極めにくい。また、関税や為替の変動などで商品価格が実際の購入価格と異なるというリスクもある。

クレジットカードの不正利用については、覚えのない請求が来た時点でクレジットカード会社に問い合わせて異議を申し立てると、クレジットカード会社で裏付け調査が入り、不正利用が認められると請求が無効になる。

以上が個人輸入のリスクだが、個人輸入のメリットは2つだけ。国内では入手困難な商品が購入できること、また、その多くが国内販売よりも安くなる点にある
そのため同じ商品が同じような価格で入手できるのであれば、敢えてハードルが高い個人輸入をする必要は全くない。

個人輸入の例

先日、英国の靴専門店でTrickersのカントリーブーツを購入したが、このブーツは国内のネット通販ではダイナイトimport3ソールを使用したものがほとんどで、最安値は42,280円だったがサイズがない。45,000円程度でレザーソールのものもあったが、カラーとサイズがない。
結局、希望のサイズとカラーがあるのは50,000〜60,000円弱の価格になる。

トリッカーズのカントリーブーツを本国の英国から輸入し、国内の最安値と同等か若干安くなるなら個人輸入する価値はある。

購入先はHerring Shoes という靴専門店。

英国のため通貨はポンド。購入時は£1は119〜120円。
目的のトリッカーズはRRP( Recommended Retail Price)が£355でNet Priceが£295.83。
RRPは希望小売価格のことで、実際の価格がネットプライス。
送料は高額商品の場合のみ海外発送も無料になるらしい。

英国は消費税が20%加算されるが、輸出の場合は消費税は輸入国で加算されるために、輸出国では免除になる。
前述のとおり今回の注文分は送料が加算されないので、クレジットカードの事務処理コスト(※次項目参照)をプラスして本体価格を算出する。

£295.83 x 122円 = 36,091円
これに関税・消費税などを加算して試算すると、おおよそ45,000円程度になる。(※詳細は後述)
国内の最安値には届かないが、希望のサイズとカラーが入手できることを考慮すれば、5,000円程度安く購入できたことになる。

関税などの手続きは全て配送業者が行うため、実際は国内のネット通販と同様、商品をカートに入れ、住所やクレジットカード情報を入力するのみで、海外の商品が簡単に、しかも安く入手できることが個人輸入のメリットになる。

為替と購入金額 〜 クレジットカード手数料の落とし穴

トリッカーズは英国から輸入したが、時勢的には英ポンドよりも米ドルの方がはるかにメリットがある。つまりアメリカから輸入したほうが価格的なメリットが大きい。
2008年10月以降、為替相場は1ドル100円を割り、2012年1月には1ドル76.19円をつけた。
1985年のプラザ合意から円高傾向になり、1990年のバブル崩壊前には1ドル150円前後で推移していたものが、低金利が続いていた円に買いが集まり、バブル崩壊後も円高が進行、1995年には80円を切る超円高に至る。
その後、一時的に1ドル140円近くまで持ち直す場面もあったが、2000年以降は105円〜125円前後での推移が続き、前述のとおり2008年10月以降、超円高が続いている。
輸出大国の日本にとって円高ドル安は死活問題だが、一消費者として円高を捉えると、アメリカからの輸入に大きなメリットが出てくる。

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左図はクリニークの男性用 MXハイドレータ(乳液)で39ドルになっている。
日本の公式サイトでは4,200円。
この商品を2012年2月7日に米国のAmazonで購入した場合、当日の終値は1ドル76.78円。
単純に商品の単価を計算すると39 x 76.78 で2,994.4円と思いがちだが、この計算式には2つの誤りがある。

一般的にニュースで見聞きする外国為替情報(外為)は「銀行間取引」のもので、クレジットカード決済など金融機関の取引に使用される為替レートはTTMになる。

TTMはTelegraphic Transfer Middle Rateの略で「仲値」と訳され、レートはCitiBank三菱東京UFJ銀行のサイトで確認できる。

次にクレジットカード決済の場合、国内と異なって海外での使用にはクレジットの事務処理コストが加算される。
クレジットの事務処理コストとは海外利用の手数料で、VISAやMASTERでは外貨交換レートに1.63%が加算され、レート換算日はクレジットカードを使用した日ではなく、購入したクレジット処理が米国の決済センターで行われた日になり、その際の為替レートはTTMが使用される
つまり、決済センターでのデータ処理がクレジットカード利用日から3日後なら、レート換算日は3日後のTTMになるため、購入時には実際のレートは不確定なのである。

仮に米国でのデータ処理が3日後に実施されたとすると、当日のレート(TTM)は1ドルは77.68円のため、77.68 x 1.0163 で78.94円になり、39ドルの商品は3,078円になる。

最近はオンライン決済のシステムが進化し、購入時点でデータ処理が行われるケースが増えているが、従来の流れではクレジットカード利用日から現地のデータ処理日までおおよそ2〜3日で、その間も為替は変動する。
上振れするとラッキーだが大きく下振れする可能性もあり、誤算を生まないためにもクレジットカード決済時には為替の流れを見て、ある程度の下振れ・上振れの幅を持っていたほうが賢明


ただし、上述の計算式はあくまで一般論であり、厳密には各クレジットカード会社によって加算される手数料が異なってくるようで、仮に為替レートの換算をTTMで計算し、クレジット事務手数料を加算したとしても、実際に請求される金額には多少の誤差が生じることが多い

TV等で放送されている外国為替の終値を使用して商品を購入すると、少なくても2〜3円は下振れするため、「思ったより高く付いた」という印象を持つことになる。
個人的には実際にTTMやクレジット事務手数料など小難しいことは考えておらず、購入日当日の外国為替の終値に3〜4円加算したレートで計算しており、それでもニアな数値になっている。
もともと購入時に正確な請求額が確定しないので、多少安めのレートで計算すれば大きな失敗はない。

送料と配送業者

国際輸送でメジャーなのはFedEx、UPS、EMS、DHL、USPSなどがある。
輸送業者はこちらで指定できないが、配達を「特急」で希望すると当然ながら割高になる。import6

左図は2011年に復刻された「コモドール64」。日本では低迷したものの1980年代に米国でメガヒットした低価格PCである。大型のキーボードのように見えるが、このキーボードがパソコン本体になっている。
この往年の名機がIntel Atomプロセッサを搭載して復刻されたのだが、当然日本では販売されないため、販売元のCommodore  USAのサイトから直接購入することにした。
都合のよい事にCommodore USAのサイトにはベアボーンも販売していたため、ケースだけを購入して自作することにした。

import7ベアボーンは250ドル。
輸出なので現地の消費税はなし。そして問題の送料は55.6ドル。

2011年5月10日は1ドル80.3円で、その前後は80円〜82円程度の幅で推移している。
この時はPayPalを利用したため、外貨換算レート(TTM)に2.5%が加算され、1ドル82.9円になった。
つまり送料に4,609円かかっていることになる。

ケースの大きさは540mm x 130mm x 280mm で重量は約2.4kg。
使用された輸送手段はUSPSの「Priority Mail International」というサービス。
この商品を国内大手の運送会社を使用して発送した場合、三辺の合計が95cmで2.4kgなので100サイズに該当し、米国までの輸送料金は8,850円になる。同じく日本郵便が取り扱っているEMSで調べると航空便を使用して5,900円。
円高でドル建ての配送料にもメリットが出ていることを考慮すれば、おおよそEMSと同等の料金ということになる。

一般的にFedEx・UPS・DHLなどは配送が早く、税関も自社の通関士が手続きを行うため、海外からi日本に荷物が到着したら1〜2日で税関を通り抜ける。import2
トム・ハンクス主演のキャスト・アウェイはFedExが如何に速いかをアピールしていたが、これらの輸送手段はきっちりと関税手続きが踏まれるため、商品受け取り時に関税と消費税を支払うか、または後から請求書が送られてくる。

左図はUPSで送られてきた商品だが、UPSはヤマト運輸と提携しているため、国内の配送はヤマト運輸が行なっている。関税と手数料の納付は代金引換で行われるが、事前に関税額などは知らされないため、関税額がどの程度かかるのか把握していたほうが無難。

EMSはFedExやUPSと異なり、自社で全てを行うのではなく、主要各国の配送会社が加盟して成り立っており、日本では日本郵便が取り扱っている。
日本郵便はEMSの荷物を集荷・配達しているが、それは国内に限られており、関税手続きなども行わない。そのため税関を抜けるのにも数日かかり、配達日数は他の国際輸送会社と比べて長い。ただ、その分コストが低く、稀に税関をスルーしたりもする。

関税と消費税 〜 個人輸入最大の難関

為替や送料に比べ、極端にややこしいのが関税である。
関税とは言うまでもなく、国内産業を保護するため輸入商品に課せられる税金で、その税率は商品によって異なる。
商品はカテゴリーで分類され、各カテゴリー毎に税率が定められ、輸入商品の課税価格に対してその税率が適用される。また、税率は輸入する商品によって異な り、個人輸入に限り課税対象額が1万円以上10万円未満の場合は少額輸入貨物に対する簡易税率が適用され、課税対象額が1万円未満の場合は免税になる。た だし、商品によっては革靴など簡易税率対象外のものもあるので要注意。

簡易税率については税関の少額輸入貨物の簡易税率のページを参照

商品区分ごとの税率については税関の実行関税率表のページを参照

輸入についての規制は、各法令によって定められており、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)により拳銃・小銃・機関銃・空気銃・刃渡り15cm以上の刀・刃渡り5.5cm以上の剣などは禁輸。
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)により、鳥及びその加工品、獣及びその加工品、鳥類の卵も規制され、当然ながらワシントン条約で定められた絶滅危惧種も禁輸。
また、薬事法により医薬品と医薬部外品、化粧品などの輸入には厚生労働大臣の承認が必要だが、個人輸入に限り特例があり、税関の確認を受けた上で輸入が認められている。無論、輸入した医薬品などは本人使用が条件で、他人への譲渡・販売は一切認められていない。そのため個人で医薬品や化粧品の代行輸入はできない

前述のトリッカーズのカントリーブーツは税率が30%。
同じ革製でも鞄(特殊な装飾のないもの)の場合は税率が10%なので、靴の税率は異常に高い。
同じく前述のCommodore64のベアボーンは「キーボード」として輸入され、関税は無税で消費税のみの請求だった。

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左図は前述のCommodore64を購入した時のもので、解像度の兼ね合いで分かり難いが、緑枠は告知書品名という項目 で、ここには「KeyBoard」と記載されており、青枠部分の品名という項目には「CUSTOM DUTY FREE GOODS」、つまり免税品と記載されている。

このベアボーンは250ドルで購入しており、当時の外貨交換レートを80円とした場合、20,000円になるのだが、赤枠の「関税」という項目の課税標準価格は11,955円になっている。

個人輸入の場合、課税標準価格は小売価格の60%で算出され、その際の為替交換レートは関税定率法で定められており、財務省貿易統計のページに各国の通貨レートが週別で公表されている。

財務省貿易統計 外国為替相場(課税価格の換算)

これをCommodore64のベアボーンに当てはめると、輸入申告日が2011年7月26日なので、該当する週の通貨レートを参照する。

250ドル x  79.7円(輸入申告日の前々週の平均値) x 60%

この数式で国際郵便課税通知書に記載されている11,955円になる。

今回のCommodore64のベアボーンは課税標準価格が11,955円なので免税対象から外れ、少額輸入貨物になるので簡易税率が適用されるが、該当商品が無税だったために、消費税と地方消費税、合わせて500円の納付で済んだ。

消費税と地方消費税は課税標準価格が10,000円以上の場合に課税され、税率は内国消費税が4%、地方消費税が内国消費税の25%で算出される。

内国消費税は課税標準価格の1000円未満を切り捨て、地方消費税は内国消費税の100円未満を切り捨てで地方消費税が算出され、内国消費税と地方消費税を加算した金額の100円未満を切り捨てた数値が消費税として課税される。

11,955円 → 11,000円 x 0.04 = 440円(内国消費税)   440円 → 400円 x 0.25 = 100円(地方消費税) 
440円+100円 = 540円 → 100円未満を切り捨て → 500円
国際郵便物課税通知書には消費税・地方消費税という項目で記載される。

この他に関税対象商品を郵便小包で受け取る際には通関手数料として一律200円必要になる。これは郵便小包を使用した場合のみで、FedExやUPS、DHLなどを使用した場合は、各輸送会社からの請求になる。

Commdore64のベアボーンを250ドルで購入した際にかかった諸費用は以下の通り。

    * ベアボーン本体 250ドル(PayPal利用のため外貨交換レートに2.5%加算 1ドル82.9円) 20,725円
    * 送料 55.6ドル 4,609円
    * 関税 無税
    * 消費税・地方諸費税 500円
    * 通関手数料 200円

結局のところベアボーンの購入価格は諸経費を含め26,034円。

住所の記入

商品を注文時には当然ながら住所と指名を入力する必要がある。
これができなければ、関税や外貨交換レートを計算できたとしても、個人輸入はできない。

import8右図はAmazon USの注文ページである。import8
おそらく使用している単語は小中学校レベル。英会話ができなくても、これくらいの単語は分かる。
入力は全てローマ字でOKだが、唯一Countryの項目だけは「Japan」と入力する必要がある。
ただ、多くの通販サイトでは、Countryの項目はドロップダウンリストになっているので、「Japan」を選択するだけである。

Full Name には姓名を入力。
サイトによってはFirst Name(名) Last Name(姓)とに分かれていることもある。
Address Line1 には住所の◯◯市以降の部分を番地から、Address Line2 にはマンション名などを入力する。
マンションやアパートでなければAdress Line2は空欄でOK。
City には「市」を入力する。 
State/Province/Region には「県」を入力。
ZIP には郵便番号を入力。
Country には国名を入力。この項目は多くのサイトでドロップダウンリストになっているので、その場合はリストから選択する。
Phone Number は 日本の国番号「81」を先頭に付け、固定電話の場合は市外局番の先頭の「0」を外した番号。携帯の場合も「81」を先頭に付け、携帯番号の先頭にある「0」を省いた番号になる。

EX:
野原しんのすけ
〒344-0000
埼玉県春日部市双葉町904-1-1 アクションマンション606
電話番号:090-1111-2222

上記の住所・氏名を英語で入力すると下記のようになる。

Full Name:Shinnosuke Nohara
Address Line1:904-1-1 Futaba-cho
Address Line2:Action Mansion 606
City:Kasukabe-shi
State/Province/Region:Saitama-ken
ZIP:344-0000
Country:Japan
Phone Number:81-90-1111-2222

海外で最も重要になるのは「Country」の項目で、次に「State/Province/Region」。これさえ間違いがなければ、最寄りの税関ま で確実に荷物は届く。その他の住所については国内の配送業者、つまり日本人が見るので、あまり神経質になる必要はなく、住所が不完全でなければ問題はな い。また、State/Province/Region の項目がドロップダウンリストになっていて県名が入力できない場合は、「Other」などを選択し、Cityに県名、Address Lineに「市」以降の住所を入力すればOK。

個人輸入するにあたって

どのような商品であれ、購入価格が16,666円以上(課税標準価格10,000円以上)の場合は、関税がかかると思っていたほうが良い。
また、輸送時に商品へ保険をかけると、その保険で保証されている金額が課税標準価格の加算要素になるため、仮に購入価格が16,000円以下であっても、16,000円相当の保険を200円程度でかけることで、課税標準価格は32,000円 x 0.6 = 19,200円になり、関税の課税対象になってしまう。

ただ、円高の場合よほど大きな計算ミスをしない限り、海外製のものであれば国内販売の最安値と同等か、下回ることができる。
関税も革靴の30%は異常に高いものの、その他の商品は概ね10%前後のため、それほど心配することはない。

クレジットの事務処理コストや外貨交換レート、関税の為替交換レートなど細かな計算をすればウンザリするが、初めは関税が免除される16,666円以下の商品を輸入するのがベター。また、化粧品やCDなどは関税が無税なので個人輸入ビギナーには最適の商品。
もちろん課税標準価格の加算要素になる保険はかけずに輸入することをオススメする。





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