保存版として録画していたVHSビデオをデジタル化して蘇らせる。

Practice


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VHStoDVD アナログビデオを動画ファイルにする方法

ビデオテープをデジタル化してDVDや動画ファイルとして保存する際、最低限必要なのがビデオデッキとパソコン、そしてキャプチャー。DVDに焼くならDVD-RW対応のドライブも必須。
長期間使用していないビデオデッキの場合は正常に稼働しない可能性が高いので、必ずテスト再生を行う。また、ビデオテープも長期保管していると変形やカビが発生している可能性もある。
ビデオテープに白い粉状のものが付着しているとカビなので、そのビデオテープは諦める。ビデオデッキで再生するとテープだけでなくデッキも痛めてしまうので要注意。変形しているビデオテープは画質が劣化しており、これも残念ながら救済処置はない。

普段から視聴しているビデオテープをデジタル化する場合は特に問題はないと思うが、ホコリをかぶっているビデオテープとビデオデッキを引っ張り出してきての作業の場合は、前述のようにテープやデッキが劣化している可能性があるので事前確認を推奨。


square ビデオテープの取り込み

地デジやブルーレイでHD(High Definition)画質が一般化しているものの、DVDなどのSD(Standard Definition)画質もまだまだ健在。
デジタル録画に対応したD-VHSならブルーレイに匹敵するHD画質を実現しているが、通常のVHSは再生する機器の性能によって画質が大きく左右され、一般的にDVDよりも画質は落ちる。


キャプチャ

パソコンとビデオデッキを簡単に接続するにはビデオキャプチャが便利。
IOデータの製品もROXIOの製品も内容は似たり寄ったりで、その他のメーカーから発売されている製品についても、ほぼUSBキャプチャとキャプチャソフトの組み合わせになっている。

USBキャプチャはビデオデッキ側がRCA端子(ピンプラグ)、パソコン側がUSBになっており、接続は至って簡単。ケーブルはコンポジット映像信号(黄色のプラグ)の他にS端子での接続も可能になっている。

VHStoDVD1

左図はROXIO ビデオテープ to DVDを起動したところ。
DVDへの直接ダビングとPCへ動画ファイルとして取り込むか選択する。

VHStoDVD2

PCへの取り込みを選択後、ビデオデッキにテープを入れ再生。
右下の録画ボタンをクリックすると、再生しているビデオの録画が開始する。

さすがにアナログのため、1倍速でしかキャプチャできないが、保存するファイル形式はMPEG2・MPEG4・WMVと3種類から選択可能でビットレートなども調整できる。

VHStoDVD3

ROXIO ビデオテープ to DVDのアプリケーションはMPEG2ファイルとして、再生されるビデオの映像をキャプチャし、そのファイルを指定した画像形式に再エンコードしている。

左図の「キャプチャ済みのビデオ」フォルダにエンコード前のファイルが保存され、「COMPUTER」フォルダにエンコード後のフォルダが生成される。
そのためファイル形式にMPEG4を選択しても、MPEG2よりも画質が向上するわけではなく、理論的には再エンコードにより多少なりとも画質は劣化する。

直接DVDへ書き込む場合も同様の処理が行われており、最大ビットレート(9800kbps)でキャプチャしたファイルを、指定したDVDメディアの容量に収まるようビットレートを下げて再エンコードされる。

画像安定装置(タイムベースコレクタ)

テープ本体の劣化は別として、普通に再生できるビデオをより高画質でデジタル化したい場合は、すでに廃番になっている過去の名機を中古で購入するか、既存のビデオデッキに画像安定装置(タイムベースコレクター)を設置する。

画像安定装置はノイズリダクションにより画像をクリアにするのもので、不要な信号を除去するため、副産物的な機能としてVHSのコピーガードだけでなく、地デジ番組のダビング10やコピーワンスという制限も解除されてしまう。

地デジで録画した番組を画像安定装置を通して再生し、それを更に録画することによって、プロテクトが解除された状態になるのだが、画像安定装置はSD画質 になるため、地デジで録画したHD画質を画像安定装置を通して再録画した場合、画像はSD画質に変更されるだけでなく、デジタル→アナログ→デジタルとい う作業をすることになり、必然的に画質は劣化する。


square キャプチャしたファイルの編集

ビデオで録画されたテレビ番組はインターレース方式のため、縞模様のようなちらつきが発生する。この現象はファイルをプログレッシブ化(インターレース解除)することで改善できるが、残念ながら先の ビデオテープ to DVDにはインターレース解除機能はない。

少々面倒だが動画編集ソフト AviUtlAvidemux でキャプチャした動画にインターレース解除などのフィルタをかけ、再エンコードすることで元の動画よりも見やすい画質にすることができる。
この作業はアップコンバートと同様、「高画質に見せる」だけで、実際に画質そのものが向上するわけではないが、アナログデータのデジタル化には非常に有効。

Avidmux7
Avudemuxで編集

Avidemuxのインストールと使い方はこちら

左図はAvidemuxでキャプチャした画像を取り込んだところ。
画像では分かり難いが、インターレース独特の縞網様が出ている。

Avidmux67

「映像」を「MPEG-2(mpeg2enc)」に設定。
「フィルター」をクリックして、画質向上のために各種のフィルタ設定を行う。

アナログのビデオなどインターレース方式の動画は、インターレースの解除を行うことにより見やすさが向上する。

インターレース解除とは交互に欠けている走査線を補間して表示する技術で、ちらつきを押さえる効果がある。
その他にもノイズ低減やシャープネスなど、好みの画質になるよう、編集後のプレビューを確認しながらフィルタをかける。

Avidemuxには複数のインターレース解除フィルタが搭載されており、カーネル補間・リニア混合・リニア補間・キュービック補間などが選択できる。

それぞれ補間する色のサンプリング方法が異なるが、一般的にリニア補間よりもキュービック補間の方が画質は滑らかになる。

VHStoDVD4

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左図上はフィルタをかけていない状態。
インターレースの縞網様がはっきりと分かる。

左図下はインタレース解除(カーネル補間)を行ったもの。
シャープさが損なわれ画質は甘くなっているが、上図と比較すると見やすくなっている。

左図下は比較のため、インターレース解除しかフィルタをかけていないが、複数のフィルタを組み合わせることで、見やすさは更に向上する。

Avidmux63

左図は複数のフィルタ設定を行ったもの。
必要に応じてカット編集などをして出力する。

出力のファイル形式は任意だが、動画ファイルとして保存する場合はファイルサイズを抑えることも考慮してMPEG-4やMKV。
DVDへ書き込むために出力する場合は、ファイルサイズを調整してMPEG-2(enc)でMPEG-PSのファイル形式で出力する。

ビットレートを9000kbpsで作成したMPEG2ファイルは30分で2GB弱になり、4.3GBのDVDには1時間ほどのファイルしか書き込むことができないが、片面二層にすることで約2時間のファイルを書き込むことができる。

画質を優先させるなら可能な限りビットレートを下げず、メディアの容量を増やすのがセオリーだが、フィルター処理を行うなら4000kbpsでも十分な画質を得られる。

square DVDへの書き込み

デ ジタル化したファイルをDVDプレーヤーでも再生できる形式にするためにはオーサリング処理が必要で、DVDオーサリングソフトDVDStylerや 簡単で多機能なエンコーダー Freemake Video Converterを使用する。

DVD StylerもFreemake Video Converterもエンコード機能を搭載しているので、指定したメディアのサイズに再エンコードされる。
ただし、DVD Stylerで設定できるのは平均ビットレートの数値のみで、Freemake Video Converterではビットレートはメディアのサイズに合わせ、上限値で自動調整される。
ビットレートの数値を細かく設定したい場合は、XMedia Recodeを使用して再エンコードし、吐き出したファイルをオーサリング処理する。

VHStoDVD8
Freemake Video Converter でDVDを作成

Freemake Video Converterのインストールと使い方はこちら

「ビットレートやフレームレート、ファイル形式やサイズなど全く分からんし、理解する気もない。でも、とりあえずDVD化したい。」という無茶な要望に打ってつけなのがFreemake Video Converter。

DVDに収めたい動画をドラッグ&ドロップして左図赤枠部分の「DVD」を選択するだけ。

VHStoDVD6

DVD出力パラメーターで必要な設定は最低3箇所。

直接DVD-Rに書き込みことも可能だが、エンコード後の画質などを確認してからでも遅くはないので、「宛先」のドロップダウンリストから「ISOイメージを作成」を選択。

VHStoDVD10

次に左図赤枠部分のDVD規格の設定。
初期値はPALになっているので必ずNTSCに変更する。

一応メニューもあるが、選択できるのはテキストのみのメニューと画像を背景にしたメニュー。
画像は任意のファイルに差し替えが可能になっているが、その他のデザインは変更不可。
手の込んだオリジナルメニューを作成したい場合は、DVD Stylerを使用する。

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最後に左図赤枠部分で出力するメディアのサイズを選択する。
初期値は「標準なDVD(4.7GB)」なので、片面1層のDVDを使用する場合は初期値でOK。

これで後は「変換する」をクリックするだけ。

指定した保存先へISOイメージファイルが作成されるので、Virtual Clone Driveなどの仮想ドライブでマウントして再生し、画質などを確認する。

生成されたISOイメージファイルに問題がなければImg BurnなどのライティングソフトでDVDに書き込んで完了。

ビットレートは収録時間に対しての上限値を自動調整、ビットレートモードはVBR(可変ビットレート)。フレームレートは29.97fpsなので、収録時間を2時間前後に抑えれば、そこそこ高画質の設定になる。

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DVD Styler で DVDを作成

DVD Stylerのインストールと使い方はこちら

ビデオテープの再生と同様、メニューやチャプターなどが必要なく、1つの動画ファイルをDVD化するだけなら、DVD Stylerでの作業は非常に簡単。

素材の動画ファイルを「タイトルセットマネージャー」の領域に追加し、デフォルトで表示されている左図赤枠部分の「メニュー1」を右クリックメニューで削除。
タイトルセットマネージャーの領域に動画ファイルが1つあるだけの状態にして出力すると、DVD挿入後にタイトル1が再生される。

別の方法としてはメニューを削除せずに、メニューのプロパティでプリコマンドに「jump title 1;」を指定する。

後はメニューバーの下にある「DVD作成アイコン」をクリックするだけでISOイメージファイル、またはVOBファイルを格納したフォルダが生成される。

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左図のように少し手を加えると、それらしく見栄えがする。
調整は画像の解像度をGIMPで変更した程度で、背景やチャプターの画像はダウンロードしたものを使用。

複数の動画をタイトルセットマネージャーへ追加、それらをメニューへドラッグして、プロパティを開く。
「外観」で予め用意していた画像を指定。
各動画ごとにプリコマンドとポストコマンドを設定して、再生前または再生後の動作を指定する。

更に手をかけるなら、メニューが表示された際に再生されるBGMなども指定。
今回は各タイトル終了後にメニューへ戻るよう設定し、メニューが表示された際に、マイケル・バッファーの「Let's get ready to rumble!」の名台詞が再生されるようにしてみた。


出力したISOイメージファイルをVirtual Crohn Driveなどの仮想ドライブでマウントし、イメージ通り再生するかを確認。
問題がなければISOファイルをImg Burnなどのライティングソフトを使用してDVDに書き込んで作業は終了。

左の動画はAviUtilを使用して作成したDVDのオープニングムービーからDVD Stylerで作成したメニューとビデオからキャプチャした本編の一部。

この動画は作成したDVDを更にエンコードしているので、実際よりも画質は落ちているが、10年以上一度も巻き戻しをせずに保管していたビデオなので画質の劣化がひどく、Avidemuxでフィルタ処理を施してある。

オリジナル動画でのDVD製作方法はこちら



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