AMD FX-6200 〜 PhenomUx4 965BEからの換装

DIYPC


DIY PC

  Athlon2x2 AMD FX-6200 〜 PhenomUx4 965BEからの換装

待望のBulldozerアーキテクチャの8コアCPUは、最上位モデルが欠品状態な上に既存のベンチマークソフトでは結果が出ず、あまつさえ45nm K10アーキテクチャのPhenomU6コアCPUにも負けてしまう始末。
Bulldozerは最先端を行き過ぎて時代がついてきておらず、現状ではその性能を発揮できないらしい。。。

ただ、FXシリーズも4GHzオーバーの域に達し、AMDらしいコストパフォーマンスに優れた6コアCPUが発表された為、さすがに食指が動いてしまった。

と、言う訳で現在使用しているOC済みのPhenomUx4 965BEに全く不満はないが、2年ぶりにメインPCを刷新。


square 現状のスペック

働き者のPhenomUX4 965BE。普通に後4〜5年は現役で使用できる。

phenom2
ベンチマーク

CPU:PhenomUX4 965BE (OC) 3.96GHz
ソケット:AM3
チップセット:AMD 790X + SB750
グラフィック:R5770 Stom1G
メインメモリ:PC3-10700 Non-ECC 4096MB x 2 Dual Channels

square パーツの選定

PCケース・電源ユニット・メインメモリ・ハードディスク・サウンドカード・CPU水冷クーラー・ケースファンは現在のものをそのまま使用。
CPUとマザーボードの他、グラフィックカードはRadeon7000シリーズのミドルレンジモデル、価格がこなれてきたSSD、そして特にこだわりもな くBDドライブを追加し、OSは現在のWindows7 64Bitをそのまま使用。

FX
CPU : AMD FX-6200 ¥15,780-

Bulldozerアーキテクチャ 6コアCPUの最上位モデル。
TDP125W 定格3.8GHz、Turbo Core時に4.1GHzで動作し、クロック倍率の変更も可能。

Motherboard
Motherboard : ASRock 990FX Extreme4 ¥13,470-

フォームファクタはATX。SocketAM3+、990FX+SB950チップセットで、ASRockらしいコストパフォーマンスに優れたモデル。

end08
Main Memory : CORSAIR DDR3 PC3-10700 Non-ECC 4096MB x 2

メモリは現在使用しているコルセアのDominatorを転用。

Graphic
Graphic Card : SAPPHIRE SAHD777-1GD5R0/11201-00-20G ¥15,800-

GPUにAMD Radeon HD 7770を搭載したミドルレンジモデル。メモリは1GBでモニタ端子はDVIx1 HDMIx1 DisplayPortx2。

pci
Sound Card : Onkyo SE-90PCI

オンボードのサウンド機能と比較すると歴然の差が出るのでPCで音楽を聴くならオススメのパーツ。
Windows7 64Bitで使用する際は、ONKYOのサイトからドライバのダウンロードが必要。

ssd
SSD : OCZ Technology AGT3-25SAT3-60G ¥6,970-

起動ディスクとして使用。
OCZ Technologyとは聞きなれないメーカーだが、2002年に創業した米国のメーカー。他のメーカーの製品と比較するとベンチマークで些か見劣りするが、コストパフォーマンスは抜群。

end10
Hard Disk Drive : WesternDigital WD5000AALS  7200rpm

既存のハードディスクを流用。この他に500GBと1TBのハードディスクを設置。

drive
Optical Drive : BUFFALO BR-H1016FBS-BK ¥8,467-

Blu-rayはほとんど使用しないが何となく購入。

co02
Case : CORSAIR CC800DW

愛用のフルタワーケース。

sl01
Power supply unit : CORSAIR CMPSU-850HXJP HX850W

80Plus Silver認定 プラグイン式の電源ユニット。12Vは1系統70Aなので、12x70=840Wと強力。
これも現在使用しているものを転用。 

CNPS9900
CPU Cooler : ZALMAN CNPS9900 MAXB ¥5,418-

Corsairの水冷キットCWCH5-1を使用していたが、PCケースのエアーフローを見直して空冷にシフト。-

fan
Case Fan : ENERMAX UCTVD12A ¥2,180-

 120mm LED付きケースファン。
くるくると回転しているようにLEDが光るのが気に入ったので購入。

square 制作の手順

組み立てた後、体感できるレベルで速度は向上したが、これはCPUの性能ではなくSSDの恩恵によるもので、同時に作ったPhenomU965+SSDと比較しても、PC MARKのスコアが示しているとおり、体感できるほどの差を感じることはない。

今後、Bulldozerアーキテクチャをフル活用するようなアプリケーションが一般化すれば大いに価値はあるが、現状では前世代のCPUに軍配が上がっている。

fx6200_3
既存パーツの撤去

CPUクーラーの水冷キットはラジエーター部分を少々改造してファンで挟み、背面から吸気でケース内部に空気を送り込むようにしている。
更にボトム部分には吸気の140mmのファン、トップに2個排気ファンがあり、それぞれ回転数を調整してケース内部は正圧にしてある。そのためケース内部は大してホコリもなく、比較的綺麗な状態になっている。

このケースはフロントに吸気口がなく、ボトム部分に140mmファンが1つ、リアに140mmまたは120mmファンが1つ、トップに120mmファンが3つと、吸気よりも排気に重点が置かれている感が強い作りになっている。

fx6200_4

水冷キットはできる限り効果的にラジエーターへ外部の新鮮な空気を当てるため、使わなくなった120mmのケースファンの羽根を取り除いたものがラジエーターとファンの間に入れてある。
これでファンを直接ラジエーターに取り付けるよりも、風がラジエーターに万遍無くあたる(はずである)。
更にラジエーターに当たった風をもう一つのファンが吸い出すことでより効果的にラジエーターを冷やすことができる(と思っている)。

fx6200_5

Corsairのメモリクーラー。
ファンはさすがに細かなホコリが付着している。

fx6200_6

ファンを取り外したところ。
2GBの4枚刺し。

fx6200_7

水冷のポンプ部分。
取り外すときは初めに4箇所のボルトをゆるめる。

fx6200_8

ポンプ部分を捻ると簡単に取り外せる。

fx6200_9

後はマザーボードをケースから取り外すだけ。

fx6200_11
パーツの取付

載せ替えるマザーボードにZALMANのCPUクーラーを取り付ける。

fx6200_12

バックプレートの準備。
ナットを左図のように取り付けて、ナットキャップを差し込んで固定する。

fx6200_13

ローディングブロックを取り付け、両面テープを貼る。

fx6200_16

クーラー側にAMD用のクリップを取り付ける。

fx6200_10

設置時のイメージを確認。

fx6200_14

CPUにグリスを塗布する。

ZALMANのクーラーにはグリスが付属しており、それを使用する場合は左図のように米粒大ではなく、直線に塗布するのが良いらしい。

実際にグリスの量は米粒大よりも多くて問題はない。
要はCPUからはみ出ないように全体的に塗布出来ればOK。

fx6200_15

塗布が完了したらCPUを設置。

fx6200_17

クーラーを設置。。。。

バックプレートのナットとクーラーに取り付けたクリップの間に予想以上の隙間がある。

さすがに取り付け方を間違えたかと少々狼狽えた。

fx6200_18  

左図はAMD用のボルト。ゲタをはいているがみそ。

fx6200_19

付属の六角ボールレンチを使用してボルトを押しこむようにはめる。
ボールレンチは通常のドライバやレンチと異なり、ボルトに対して直角でなく、左図のように斜めからでも固定できるのが特徴。

クーラーの形状から六角ボールレンチは斜めからでなければボルトを回せない。

fx6200_20

CPUクーラーを固定後、メモリのクーラーも設置。
メモリのクーラーは最大限CPUクーラーから離した状態で固定して、左図のように何とか干渉せずに済んだ。

 fx6200_21
通電テスト

ひと通りマザーボードへの搭載が完了したので、電源ユニットから主電源(24pin)、12V田型(4pin)、フロントパネル(PowerLED・Power SW・Reset SW・HDD LED)、モニタ、キーボードを接続し、通電テストを実行する。

CPUクーラーとメモリクーラーのファンが回転し、モニタにはBIOSが表示される。

これで通電テスト終了。

fx6200_22
パーツの設置とケーブル接続

通電テストが無事終了したため、後はマザーボードをケースに固定し、エアーフローを考慮してケースファンを設置。
SSD、ハードディスク、光学ドライブなどを固定し、マザーボードに接続して完了。

fx6200_24

エアーフローの効率を向上させるため当然ながら裏配線。

fx6200_23

ボトムとトップから外気を取り込み、CPUクーラーからリアファンに向けて排気する。

ケース内部は正圧にしてあるが、このケースはフロントファンが搭載できず、本来ならボトムも140mmファンが1基しか搭載できないが、少々強引に120mmファンを底面に固定し、その上に140mmファンを搭載してみた。

イメージ的に上下から入ってきた外気を横から排気するので、空気の流れはさほどよくはないが、ケースそのものが大きいため、ケース内部に熱はこもりにくい。

square 制作したPCの情報確認とベンチマーク

改造後のPCでアプリケーションの起動、ブラウジングなど簡単な作業を実施。WindowsXPの環境でビジネスアプリ中 心の通常使用ならば、この程度のスペックで全く不自由はない。WindowsXPの正規版の入手が条件になるが、メーカー製のPCでも改造するメリットは 多い。

fx6200_25

CPU-Zの結果

CPU:AMD FX-6200 4.2GHz(OC)
ソケット:AM3+
チップセット:AMD 990FX + SB950
グラフィック:AMD Radeon HD7770
メインメモリ:DDR3 PC3-10700 8192MB Dual Channels
SSD:SATA 6Gb/s
ハードディスクドライブ:SATA3Gb/s 500GB
光学ドライブ:BDドライブ
グラフィックインターフェイス:DVIx1 HDMIx1 DisplayPortx2
電源:850W
サイズ:フルタワー(W229mm x H609mm x D609mm)
OS:Windows7 64Bit

新規購入パーツ合計金額:70,265円

fx6200_26

HWMonitorの結果

AUXTINが異常な数値を示しているが、外部センサーは使用していないので数値に意味はない。

室温23度の状態でWindows エクスペリエンスを実施すると、瞬間的に各Coreの温度が20度を超えるが、通常の作業中はほぼ左図のような温度で、SSDとハードディスクは30度前後、グラフィックカードは40度前後で安定している。

ZALMANのCNPS9900 MAXBは評判通り、よく冷える。

fx6200_28

Windowsエクスペリエンスの結果

この数値は4.2GHzにOCしたもので、ノーマルの場合は不本意にもプロセッサが7.4で、「一番低いサブスコア」になっていた。

pcmark_FX-6200oc

PCMARK05の結果

CPU Score:9973
Memory Score:6712
Graphics Score:12650
HDD Score:36626

総合的な数値は換装前と比較して上昇しているものの、4.2GHzまでクロックアップした肝心のCPUスコアは、3.7GHzのPhenomUx4 965に完敗という残念な感じになった。

pcmark7_FX-6200oc

PCMARK7の結果

PCMARKはBulldozerアーキテキチャのCPUと相性が悪いと言われているが、この数値はかなりシビア。


line