AMD PhenomUx4 965BE 〜 AMD PhenomU X4 965BEを使用した自作PC

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  Phenom2x4 AMD PhenomUx4 965BE

これといった不満もなくメインPCとして使用していたPhenomUx4 965BEだが、コードネームZambeziの最新CPU FX-6200がやってきたため、PhenomUx4は2年間のお勤めを全うしてメインPCの座を離れることになった。
ただPhenomUx4 965BEはまだまだ現役で頑張れるCPUなので、使用していなかったSilverstoneの一体成型PCケースに移植。
処理能力も消費電力もメインPCと比肩するサブマシンになってしまった。


square パーツの選定

ベースのパーツはもともとメインPCで使用したものをそのまま使用し、折しも調子が悪くなったバックアップ兼オーディオPC兼ファイルサーバとして使用したマシンのパーツを融合。
そのためほとんど有り物で構成できたが、起動ディスクにするためのSSDとメモリ、電源ユニット、CPUクーラーは追加購入。

FX
CPU : AMD PhenomUx4 965BE

4コアで定格動作は3.4GHz、TDP125W
メインPC使用時には3.96GHzにOCしていたが、今回は3.7GHzで運用。

Motherboard
Motherboard : ASUS M4A79XTD EVO

フォームファクタはATX。SocketAM3、790Xチップセットを使用したASUSのミドルレンジモデル。

end08
Main Memory : CORSAIR DDR3 PC3-12800 Non-ECC 4096MB x 2

コルセアのヒートシンク付きメモリ。

Graphic
Graphic Card : MSI R5770 Stom1G

GPUにAMD Radeon HD 5770を搭載したミドルレンジモデル。メモリは1GBでモニタ端子はDVI x1 HDMI x1 D-Sub x1

pci
Sound Card : Creative Sound Blaster X-Fi Titanium HD SB-XFT-HD

音楽の再生頻度が高くなるPCなのでお気に入りのサウンドカードを流用。

ssd
SSD : OCZ Technology AGT3-25SAT3-60G ¥6,970-

起動ディスクとして使用。

end10
Hard Disk Drive : WesternDigital WD20EARS

既存の2TBのハードディスクを設置。

drive
Optical Drive : Pioneer DVR217JBK

DVDドライブも転用。

sst-ft02
Case : SilverStone SST-FT02

ボトム吸気、トップ排気のシルバーストーンらしい正圧ケース。
通常のPCケースを90度回転させたユニークな設計になっており、5インチベイとマザーボードが干渉しやすいのが欠点。

sl01
Power supply unit : SilverStone SST-ST85F-P ¥11,700-

80Plus Silver認定 プラグイン式の電源ユニット。12Vは1系統67Aなので、12x67=804W。

CNPS9900
CPU Cooler : SCYTHE 無限参 MUGEN∞3 リビジョンB ¥3,980-

サイドフローのCPUクーラー。驚異的に冷えるわけではないが、それなりに働いてくれる。

square 制作の手順

完成したマシンの処理能力は各ベンチマークが示しているとおり、BulldozerアーキテクチャのFX-6200を上回ってしまうほどで、後2〜3年は現役で活躍できるレベル。

マザーボードを90度回転させて設置する特徴的なPCケースは、ボトム吸気トップ排気という非常に理にかなったエアーフローで、ボトムに搭載された3基のファンから吸気することでケース内は正圧に保たれる。
TDPが低めのCPUを使用し、ファンの回転数を落とせば静音PCを構築することもでき、5インチベイとマザーボードが干渉しやすい難点はあるものの、総合的に良いケースだと思う。

Phenom1
既存パーツの撤去

水冷キットを取り外して露出したCPU

ソケットのレバーを引き起こしてCPUを取り出し、表面に塗布されているグリスを専用のクリーナーを使用して落とす。

Phenom2
パーツの取り付け

きれいに化粧を落としたPhenomUx4 965。

Phenom3

今回はCPUクーラーをリテール品ではなく、SCYTHEの無限3を使用するため、マザーボードのバックパネルを外して、無限3に付属しているバックパネルを取り付け、グリスを落としたCPUに再度グリスを塗布してソケットに装着。

Phenom4

無限3を固定。

Phenom5

ここで誤算。
Corsairのヒートシンク付きメモリをA1,B1のメモリスロットに装着すると、わずかにメモリとファンが干渉してしまう。

この時は仕方なくファンを吸気ではなく排気側で固定したが、後からメモリをA2,B2に差すことで干渉しなくなるのでは?とメモリを移動させてみたがダメだった。

しかたないので取り敢えずファンを排気側に固定。

Phenom17

CPUを定格動作から3.7GHzまでOCしたこともあり、結局、少々強引に吸気側に取り付けた。

メモリに干渉する部分がヒートシンクよりも飛び出すことになり、今度はサイドパネルとの干渉が微妙になったが、わずかにサイドパネルとの間にスペースが出来る程度で収まった。

Phenom6
通電テスト

グラフィックカードをPCIeに差し、12Vの主電源、9V田型とグラフィックカードへの電源、パワースイッチ等のコンパネ系のケーブルを挿して通電テスト。

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BIOSも起動して問題なく動作した。

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パーツの設置とケーブル接続

電テストが完了したら、一旦全てのケーブルを外して、PCケースに電源ユニットを設置。

このケースはトップ(天井)に向かって排気する構造で、電源ユニットも背面吸気の上面排気になるよう設置する。

電源ユニットは上面からボルトで4箇所固定するのみで、電源ユニットを支えるようなものはない。そのため左図のようにケースに付属しているマジックテープのバンドを回して固定し、ボルトに掛かる負荷を軽減する仕組みになっている。

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背面パネルをはめ込み、マザーボードを固定。

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このケースの欠点が左図の5インチベイ。
マザーボードやPCIデバイスがあるため、奥行きに制限がでてくる。

左図のように最上段に通常のDVDコンボドライブを固定すると、SATAを接続するのも難儀するほどスペースに余裕がない。

奥行きが170mmのコンパクトタイプなら問題ないが、200mmのフルサイズはマザーボードと干渉するため設置できない。

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グラフィックカード、サウンドカードを固定し、SSD・HDDを接続、ケースファンも接続。

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完成。

square 制作したPCの情報確認とベンチマーク

改造後のPCでアプリケーションの起動、ブラウジングなど簡単な作業を実施。WindowsXPの環境でビジネスアプリ中 心の通常使用ならば、この程度のスペックで全く不自由はない。WindowsXPの正規版の入手が条件になるが、メーカー製のPCでも改造するメリットは多い。

Phenom14

CPU-Zの結果

CPU:PhenomUX4 965BE (OC)
ソケット:AM3
チップセット:AMD 790X + SB750
グラフィック:R5770 Stom1G
メインメモリ:DDR3 PC3-12800 4096MB Dual Channels
ハードディスクドライブ:SATA300 2TB
光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
グラフィックインターフェイス:DVIx1 HDMIx1 D-Subx1
電源:850W
サイズ:ミドルタワー(W212mm x H616mm x D417mm)
OS:Windows7 64Bit

追加パーツ合計:26,920円

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HWMonitorの結果

室温23℃でアイドル時はほぼ30℃前後で推移。
グラフィックカードが常時45℃〜50℃あるものの、ハードディスクも30℃くらいなので、それなりに冷えている。

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Windowsエクスペリエンスの結果

コア4.2GHzのFX-6200が7.5なので、そこまで処理能力に差がないということなのか、0.1の比重がそれだけ重いのか、微妙な結果になった。

pcmark_phenom2_965oc2

PCMARK05の結果

CPU Score:11108
Memory Score:5899
Graphics Score:17548
HDD Score:37066

総合的な数値は換装前と比較して上昇しているものの、4.2GHzまでクロックアップした肝心のCPUスコアは、3.7GHzのPhenomUx4 965に完敗という残念な感じになった。

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PCMARK7の結果

メインPCの座を譲りながら、スペック的に上回る最新CPUより高いスコアを出してしまった。。。


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